きもののお話 四君子文様

着物や帯には様々な文様が表現されています。

その中に『吉祥文様』(きっしょうもんよう)という、「おめでたいしるし」という意味を総称したものがあります。

今回は『吉祥文様』の中の一つ、『四君子文様』(しくんしもんよう)についてお伝えします。

『四君子文様』とは、梅・菊・蘭・竹の4つの植物を組み合わせた物です。

君子とは、古代の中国で「徳が高い人格者で、清らかで高潔な優れた人」のことを言いました。
梅・菊・蘭・竹、それぞれが君子を思わせる佇まい・風格を持つことから、四君子という柄として好まれるようになったのです。

それが中国から日本に伝わり、江戸時代には文人が好んだことで様々な物の絵柄に使われるようになり、吉祥文様として扱われるようになりました。

【梅】
冬の厳しい寒さの中にありながら、他の花に先駆けて春に咲く強い花です。
高貴な香りも好まれています。
松・竹と共に「歳寒の三友」として『松竹梅』の文様にも使われます。

【菊】
長寿を象徴する代表的な植物です。
肌寒さが増す秋に、美しく凛々しい花を咲かせます。
桜と共に日本を代表する花
です。

【蘭】
ほのかな香りと気品のある花を咲かせます。
控えめに咲く姿が「善人蘭の如し」と例えられます。

【竹】
一年を通して青々として曲がらずまっすぐに伸び、中が空洞になっていることは、内に抱えている悪い気持ちがなく裏表のないまっすぐな心を意味します。

四君子文様は控えめに表現されることが多く、日本人の奥ゆかしさを象徴する文様とも言われます。
また、4種の花が春夏秋冬それぞれを象徴するとされ、1年を通して身につけることが出来るのも好まれるポイントかもしれません

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